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■第3話:「医療ミスはなぜ起こるのか」(3)


/ Date: 2003/01/10(Fri) 23:20

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第3話:「医療ミスはなぜ起こるのか」(3)
 − 沈黙する医師たち −
−2000年 イギリス ダーロー・スミスソン・プロダクション制作−

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第3話:要約 2003 1/8 成尾整形医局:野上俊光

イントロ:
イギリスでは、年間30万件の医療ミスが発生し、そのうち4万人が毎年死亡しているという(推定値?)。(イギリスの人口は約6000万人なので、同じ割合を日本に当てはめると、この2倍になる?)
医療ミスは医療システムに原因があり、これを改善するには医師が医療ミスについて話し、原因を確認し、改善する必要がある。しかし医師たちは口を閉ざしてきた。
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「医療ミスが繰り返されるのは、医師達が医療ミスについて語ってこなかったためだ」と始まり、なぜ語られなかったかの分析に続く。
 <分析>
 医師は完全だとのイメージがあった。
 医療は聖域で口をはさむことはできなかった。
 閉鎖的な秘密主義があった。
 上下関係が強く、医師であっても上司には意見を言いづらかった。
 医師に対して、医師以外の身分(ナースなど)からは、なおさら意見が言えなかった。
 医師には「しきたり」があった。
 医師の間には連帯感があった---------などなど。
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この後、ミスをおこした事例が紹介された。
事故の被害者のみでなく、事故の加害者となった医師や看護師も、別の被害者となってしまう点が紹介される。彼らは相談相手がいないことが多いのだ!
善意で努力しているのに、孤立し、心に深い傷を負ってしまうのだ!
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事例:新卒の看護婦がモルヒネの注射の指示を受け、病室に行き、注射をした。しかし、同じ医師から、まだ患者が苦しんでいると告げられる。実は隣室の別の患者に注射をしていたのだった。
事例:産婦人科で開業していた医師。妊娠したと喜んで来た患者の尿検査を繰り返し実施したが、陰性だった。胎児死亡と判断し、D&Cを予定する。
患者(妊婦)がやっと同意し子宮内をソウハしたところ、大きめの腕が掻きだされた。
死亡時は妊娠6Wと思っていたのに、11wくらいの大きさだったのだ。病理検査に出すと、死亡時から、そんなに時間が経っていない組織とわかる。この医師は自分が胎児を殺したのではないかと深い挫折感、罪悪感に落ち込む。
被害者のみでなく、加害者となった者にも、心の回復には長い年月が必要となる。悩みについて話し合うこと、相談することは最良の治療でもあるのだが、加害者となった医師には相談する場・相手がいない。孤立・孤独になる。
のちに、この医師は Making Medical Mistakes という本を出版した。 しかし、彼が文献検索をしていて、驚いたことには、医療ミスについて医師が書いた物は殆どないのだった。
沈黙の掟は続いているのだ!!
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この後、沈黙を続ける因子が紹介される。
医療訴訟:イギリスでは年間30万ポンド、日本円で5100億円。
医療ミスについて語ろうとすると、弁護士は医師を訴えようとする。
この傾向は、医師が身を護るために、不必要と思う検査でも指示するようになり、さらに医療費を押し上げる要因ともなっている。
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この後、再び医療ミスについて話す必要がある、と物語が続きます。
事例:産婦人科医、ジェームズ・ドライフは自然分娩予定の胎児を死なせた。
胎児モニタが異常をしめしていたのだが、モニタの故障だろうと考えて、患児が異常なのだとは思わなかったのだ。分娩を早く進めておれば助かったかもしれなかったのに、という罪悪感からは一生逃れられないと告白する。
ミスを犯した者も苦しむのだ。ミスを犯すまいと皆頑張っているのに、ミスはおこるのだもの。
 過失をあきらかに出来る環境を作ろう、と提案が続きます。
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この後、死亡率の高い分野;小児心臓手術の事例が2つ紹介されます。
何事も報告し検討するのが表向きの姿しかし、下の部下が正直に言うと犠牲を強いられる、と。
イギリスでの事例:麻酔科医Dr.ボルシンは、手術死があまりにも多いので、小児心臓手術チームを病院上層部に告訴した。本格調査が始まったのは、告訴から 10年が経過してからだった。100人ほどの犠牲者が出ていた様子だった。とうとう外科医や病院長らが退職したが、告訴した彼自身もイギリスからオーストラリアに住所を変えることになった。

カナダでの事例:小児の心臓手術で10ヶ月に12人が死亡した。死亡率は他の似たような施設や手術内容の3〜6倍ほどであった。手術室のベテラン看護婦キャロルは、母親から子供をあづかり主術室に連れて行く役目を負っていたが、手術内容や死亡率の高さからいたたまれなく、ついに心臓手術医達を告訴する。しかし病院上層部は耳をかさない。
さらなる犠牲者が続いて初めて、病院上層部は耳を貸すようになった。「看護婦が言っても、誰も耳をかさないのだ」という言葉が繰り返されます。ついに執刀医は手術中止を命令されますが、キャロル看護婦も、職場を辞めざるをえなくなります。
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この事例のあと、ミスに慣れてしまうことは怖いこと、自らのミスから教訓を得ることがミスを防ぐために重要、医師が沈黙を破ることがミスを防ぐために必須、 と続きます。
また、人はミスを犯す。ミスについて話す。過ちから学べ。
そうすると、ミスを繰り返さない医療が実現される・・と繰り返しメッセージが出されます。
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再び事例:
こんどは、死亡率を下げた心臓外科医の話しです。

この心臓外科医は
1)まず熟練した外科医を呼び、手術の詳細を学びました。50例ほど習ったあと、自分で執刀していきました。ところが死亡率が高くなったので、しばらく手術を中止して、検討しました。
ここでスポーツ科学での成果が紹介されます。
スポーツの世界で成功するには「高い技術力」に加え、「集中力」、先を読む「先見性」、できるという「自信」、これらが揃わないと成功しないのだそうです。
そこで、この心臓外科医は再び技術を学びなおし、細部までこだわって研究しました。問題は些細なミスからおこることが多かったと紹介されます。
その後、この外科医は世界でもトップクラスの心臓外科医になり困難なスイッチオペレーション分野で有名になりました。
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プロローグ:
過ちから学ぶ。この平凡なことが、医療界では実行されてこなかった。医療ミスをなくすには、「過ちから学ぶ」ことを進める必要があるのに。
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