はくざん 通信 第18号 2001.9.30 ホーム はくざん通信の目次に戻る
9月9日は救急の日です。1年に1回ほど訓練をしている地区では、蘇生の成績がよいと言われています。
脳への酸素供給が途絶えると、15秒ほどで意識はなくなり、5分ほどで、脳細胞は死滅を始めます。その場に居る人(by-stander)による、迅速な蘇生処置がわずかでもあれば、大きな助けとなります。救急車や援助者を呼び、蘇生を試みましょう。

頭部後屈による気道確保 下顎挙上による気道確保
成人に対する心肺蘇生法
CPR(cardiopulmonary resuscitation)
(1)意識状態の確認
肩をたたき大きな声で「もしもし」「大丈夫ですか?」などと呼びかけます。
(2)助け(救急車)を呼ぶ
意識がない場合は、ためらわずに助けを求めます。
(3)患者の姿勢
床など硬いところに仰向けに寝かせます。
体を動かしたり、仰向けにする場合には、頭と首を支えて行います。
(4)気道確保(Airway)と呼吸停止のチェック
鼻(口)から肺までの空気の通り道(気道)を開けることを気道確保といいます。
気道確保をしないと、人工呼吸を行っても肺に空気が入らないため蘇生できません。
頭部後屈と下顎(あご先)挙上による方法が一般的です(左下図)。
気道確保した状態で呼吸停止を確認すれば、人工呼吸が必要になります。
首の骨の損傷が疑われる場合には、頭部後屈を行ってはいけません。あご先挙上法のみで気道確保をします。
首の損傷がない場合、肩の下にタオルなどを入れると気道確保しやすくなります。
(5)口対口人工呼吸の開始
気道確保した状態で指で鼻をつまみ、自分の口で傷病者の口をおおいます。
できるだけ口を大きく開けて、傷病者の口をしっかり隙間なくおおうことが大切です。
口をしっかり隙間なくおおったら、息をややゆっくり2回吹き込みます。胸が膨らんで、そのあと傷病者の口から息がでればうまくできたといえます。

(6)脈の触知
脈が触れるかどうかみます(脈の部位)。頚動脈が触れやすいので5-10秒間チェック。脈が触れなければ心臓マッサージを加えます。

(7)心臓マッサージ
手を置く位置の決め方
・まず肋骨の下端(腹との境)を指で触って確認します。
・次に、前胸部中心にある胸骨(板の様な骨)の下端(突起で硬い。突起より足方向は、お腹なので柔らかい)を中指で探します。
・反対側の手を人差し指の頭側に下左図の写真のように置きます(胸骨下端から2横指ほど)。手根部(手のひらで手首の関節に近い部分)が左右に偏らず、胸骨の中央にくるようにします。
心臓がやや左にあると考え、左胸を押してはいけません。肋骨が折れるだけで効果はありません。板のような胸骨と背骨の間に心臓をはさんで血液を送り出すためです(右図)。
姿勢:手を置く位置が決まったら、反対側の手を上に置いて指を組みます(下図)。
指を組まない方法もありますので、やりやすい方を選んでください。
肘はしっかり伸ばし、手首・肘・肩が垂直になるように上半身を傷病者に被いかぶせるようにします。膝は肩幅くらい開き、上半身の体重を無理なくかけてマッサージができる位置が適当です。
15回の心臓マッサージ:一分間に80-100回の速さで行います。肘を曲げないで、垂直に胸骨が4cm程度沈むように上半身の体重をかけて押します。弾力で自然に胸骨が戻るのに合わせて手のひらの力を抜きます。チカラを入れすぎると、肋骨が折れて蘇生困難になる事があります。骨折を起こさない程度(4cm)の圧迫にします。

救急隊が到着するまでの3分から6分間なら、(人工呼吸が困難でも)心臓マッサージだけで、肺内の空気を振動させ、それなりの酸素供給効果が期待できます。
(8)2回の人工呼吸:
頭を気道確保の位置にして、鼻をつまみ、ゆっくり大きく息を2回吹き込みます。胸が膨らみ、息を吹き込んだ後に患者の口から息がでてくれば良い。
(9)15回の心臓マッサージと2回の人工呼吸:
途中で頚動脈を触れてみて、よく触れるまでに回復したら人工呼吸のみ(12回/分)にします。救急隊が到着するまで蘇生を続けます。
(10)二人で行う蘇生法
1回の人工呼吸と5回の心臓マッサージを交互に繰り返します。
(口から口への呼気吹き込み人工呼吸法に抵抗のある人は、ハンカチを口の間に使ってもいいでしょう。それでも抵抗を感じる時は、心臓マッサージだけでも意味がありますので、胸骨圧迫心マッサージを行いましょう)
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