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AAOS からの引用・要約です

 

  

骨粗鬆症 こつそしょうしょう
Osteoporosis

骨粗鬆症とは、何ですか? What is osteoporosis?

骨粗鬆症とは、進行性に骨量を損失していく病気で、骨折の危険度が増していきます。 それは文字通り「粗でスカスカの骨」を意味します。多くの場合、骨折が起こるまでは、なんらの不快感も症候もあらわれず、長年にわたって 進行していきます。 骨粗鬆症になると、しばしば身長が低くなり、海老のように曲がった背中のコブを生じます。


左から右に:正常の脊椎骨、軽度の骨粗鬆症による脊椎骨、高度な骨粗鬆症による脊椎骨

なぜ、私はこの病気(骨粗鬆症)を心配しなければなりませんか? 

骨粗鬆症は主要な健康問題です。多くの高齢者が影響を受け、毎年、多くの人が骨折し→寝たきり状態になりやすいからです。 

65歳以上の年齢なら、女性では2人のうち1人が、男性では5人のうち1人が、骨粗鬆症のために骨折をおこしています。 これらの多くは、転倒・転落の結果として、股関節部、脊柱、手首、腕、 脚などに、痛い骨折をおこします。 しかし、単純な家庭の日常作業でさえ、骨が疾患によって弱くなっていると、脊柱の骨折を引き起こします。 

最も重大で衰弱させる、骨粗鬆症による骨折は股関節部の骨折です。 大部分の股関節部骨折患者は、それまでは独立・自立して生きてきたのに、家族やホームケアの援助を必要とするようになります。 全ての股関節部骨折患者は、数ヶ月の間、歩行器を必要とします、そして、ほぼ半分の人たちは、住宅内や屋外を動き回るために、永久的に杖や歩行器を必要とします。 股関節部骨折の治療は、高価です。

何が骨粗鬆症を引き起こしますか? What causes osteoporosis?

医師は骨粗鬆症の厳密な医学的な原因は知りません、しかし、この疾患に至る主要な因子の多くを知っています。 

老化。 誰でも、年齢と共に骨量を失います。 失った古い骨を取り替えるために、身体は新しい骨を作っていますが、35歳を越すと、作る量が減ってきます。 一般的に、年をとるほど、あなたの骨量の合計は少なくなり、骨粗鬆症の危険が増大します。 

遺伝。 骨折の家族歴; 小さくて、細長い体格; 白い肌; コーカサス地方やアジア地方の人たちは、骨粗鬆症の危険が増加します。 遺伝は、また、一部の人々がなぜ若い頃から骨粗鬆症になるのか、を説明するのに役立つかもしれません。 

栄養と生活様式。喫煙や過度なアルコール摂取のほか、カルシウムの少ない食事、貧弱な栄養、低い体重と運動しない生活様式などが骨粗鬆症と関連があるとされています。 

医薬品と他の疾患。  骨粗鬆症は、ステロイドを含む投薬や、甲状腺疾患の一部と関連があります。


骨粗鬆症を予防したり、悪くならないようにするために、何をすることができますか? What can I do to prevent osteoporosis or keep it from getting worse?

骨粗鬆症を防止し、その進行を遅くし、骨折から自分自身を守るために、あなたが生涯にわたって、できることがたくさんあります。 

適正量のカルシウムとビタミンDをあなたの常食に含めましょう。 

カルシウム。  成長期の間、強い骨格を築き、カルシウムを蓄積し供給するために、あなたの体はカルシウムを必要とします。 あなたが若い時に骨量を蓄えておくことは、あなたの将来のために有益な投資です。 生長期の間にカルシウムが不十分であると、人生の後半になって、骨粗鬆症が進展することになります。

たとえ、あなたの年齢や健康状態がどのようなものであれ、あなたの骨格を健康にしておくために、カルシウムが必要です。体から、毎日カルシウムが失なわれるので、成長期の後でも、カルシウムは、必須な栄養成分であり続けます。
カルシウムは、閉経の後の、ゆるやかな骨損失を防止することはできませんが、骨の品質を維持するためには、重要な役割を果たし続けます。 たとえあなたが閉経を過ぎ、すでに骨粗鬆症になっていたとしても、カルシウムとビタミンDの摂取量を増加させると、骨折のリスクを減少させることができます。

どれくらいのカルシウム量があなたに必要であるかは、あなたの年齢や他のファクターによって変わります。
日本では、カルシウム摂取基準量は、18歳以上の成人女性では1日600mg、妊婦・授乳婦では前記の基準量に加えて+300mg、+500mgと決められています。また許容上限摂取量は、2500mgとなっています。しかし実際の日本人のカルシウム摂取量を調べてみると、1日600mgを下回っています。

カルシウム摂取は3グループからバランスよく!
 カルシウムは,豆製品や緑黄色野菜にも含まれます。乳製品と組み合わせれば,ビタミンや食物繊維などもバランスよく摂取できます。 
 健康日本21(生活習慣病を国民みんなで予防しよう −国のプロジェクト−)では,
1日に
 牛乳・乳製品130g,
 大豆製品100g,
 緑黄色野菜120gをとれば,1日にカルシウム600mg以上を摂取しやすいと提言しています。

米国では、50歳以上の女性と男性には、1日あたり1,200mg を薦めています(日本の基準値は、日米の平均体重の違いを加味しても、やや低いのではないか?との意見もあります)。

ヨーグルトとチーズを含む乳製品はカルシウムの素晴らしい源です。
牛乳コップ1杯(200g)には、約220mgのカルシウムが含まれます。
他のカルシウムの豊富な食物は骨つきのイワシ、緑の葉の多い野菜でブロッコリーやキャベツなどを含みます。

あなたの食事が十分なカルシウムを含んでいないならば、栄養補助食品が助けになります。カルシウム補助食品を取る前に、あなたの主治医と相談してください。

ビタミンD。 ビタミンDは、あなたの身体がカルシウムを吸収するのを手助けします。
ビタミンDの推奨は、毎日100 IU(2.5μg)です{厚生労働省 「第6次(平成12年度から16年度の間使用)改定日本人の栄養所要量についてから}。ビタミンDの成人の所要量は日本では2.5μgで、アメリカでは5.0μgで骨粗しょう症予防を目的としています。 
総合ビタミン剤は通常ビタミンDを含みます。あなたの食事にこの栄養が十分量、含まれていない場合は、ビタミン不足を補うことができます。
補助ビタミン剤を飲む前に、あなたの担当医と相談してください 。過剰なビタミンD摂取は、体に害を及ぼすことがあります。

規則的に運動すること。 筋肉と同様、骨を強く維持するために、運動が必要です。 あなたの年齢がいくつであろうとも、運動は骨損失を最小にさせ、さらに、多くの健康面での利点を与えます。 医師は、適度で規則的な運動プログラム(1週間に3から4回)が骨粗鬆症の防止と管理のために効果的であると信じています。 歩くこと、ジョギング、ハイキング、階段を登ること、ダンス、トレッドミル運動、重量挙げのような荷重運動は、おそらく最もよい方法でしょう。 
転倒・転落が、骨折の50パーセントを占めますから、あなたが低い骨密度を持っていたとしても、転倒・転落を避けるならば、骨折を防止することができます。
バランスト感覚を訓練するプログラムも、注目されるべきです(転倒・転落防止に有効)。
どのような運動プログラムでも、開始する前に、あなたの主治医に相談した下さい。

どのようにして骨粗鬆症は診断されますか? 

骨粗鬆症の診断は、通常あなたの主治医によって、完全な病歴の聴取、身体診察、脊椎骨のエックス線写真、骨密度の測定、および専門的な臨床検査などによって行われます。
あなたの主治医が低い骨塩量を見つけたならば、主治医は、骨軟化症(ビタミンD欠乏症)や上皮小体亢進症(副甲状腺の過剰分泌)を含めて、骨損失を起こす他の病気の可能性を除外するために、追加のテストを行なおうとするかもしれません。 

骨密度の測定は、安全な、痛くないX線を使った技術です。あなたの骨密度を、あなたの同性・同民族の人たちで、年齢が20〜25歳頃の、骨密度が一番高い時期のデータと、比較するものです。 

女性の閉経時にしばしば検査されます。骨密度の測定は、今日、色々なタイプの測定器で、身体の異なる場所で、骨損失を測るために使われています。
デュアルビームエックス線吸光光度定量法(DXA)は最も正確な方法のうちの1つです。しかし、他の単一光子吸光光度定量法(SPA)や、定量的コンピューター断層撮影(QCT)、X線撮影吸収法、超音波法などで、骨粗鬆症を識別することができます。
あなたの主治医は、どの方法があなたに最も適しているか、決定してくれます。 


骨粗鬆症をもつ人の身長の減少と背骨の曲がった外観は、弱まった脊椎骨の部分的な崩壊から生じます。

骨粗鬆症は、どのように治療されますか? How Is Osteoporosis Treated?

失われた骨を取り替えることはできないので、骨粗鬆症の治療は、更なる骨損失の予防に焦点を置きます。
治療は、しばしば、かかりつけ医・内科医、整形外科医、婦人科医、内分泌などの専門医を含んだチームで行われます。 

運動と栄養療法が、骨粗鬆症についての、治療計画の重要な構成要素ですが、他の治療方法もあります。

エストロゲン代償療法(ERT)は、骨粗鬆症の大きなリスクにさらされている女性達に対して、骨量減少を防止し、骨折リスクを減らすため、勧められています。  
月経閉止が始まる時の骨密度の測定は、ERTがあなたのために有用であるかどうかを決めるのに手助けになるかもしれません。
ホルモンはまた心臓病を防止し、認識の機能を改善し、排尿機能を向上させます。
乳ガンのリスクが増加することを含め、ERTはリスクがないわけではありません。
このような点については、あなたの主治医と相談してみて下さい。

選択性エストロゲン受容体調節薬SERMs{ラロキシフェン(商品名 エビスタ)}として知られている新しい抗エストロゲン剤が、紹介され導入されています。これは、骨量を増加させ、脊柱の骨折リスクを減少させ、乳癌の危険度を下げます。

カルシトニンは、骨損失を減少させるのに用いられるもう一つの薬です。
この医薬品の注射(日本)、鼻のスプレー薬(米国)は、骨塩量を増大させ、背骨の骨折を制限し、痛みの除去を提供するでしょう。  ビスフォスフォネート系は、アレンドロネー トを含み、著明に骨量を増加させ、脊柱と股関節部の骨折を予防します。
エストロゲン代償療法(ERT)、アレンドロネー ト、選択性エストロゲン受容体調節薬SERMsとカルシトニンは、全て、骨粗鬆症患者に骨量を増大させるだけでなく、有意に骨折の危険を減らす機会を提供します。 
治療が必要になるまで待つことよりも、予防の方が好ましいのです。 

整形外科医は、「骨、関節・ジョイント、靭帯、腱、筋肉や神経などを含んだ筋骨格システム」の診断法と、保存的(非手術的)療法や外科的(手術的)療法などの治療に関し、幅広いトレーニングを受けた医師です。

骨粗鬆症の参考サイト:http://www.asahi-net.or.jp/~bd9y-ktu/test/ishi/ebprev.html#mokuji
骨粗鬆症と関節痛の総合情報サイト:http://www.richbone.com/index.htm
骨粗鬆症の実際:http://www2.eisai.co.jp/osteo/
骨粗鬆症の治療薬:https://www.iyaku-j.com/MDJOURNA/clin/doc/2004-10/085tokusyuu1.htm
骨粗鬆症について-1:はくざん通信5号(成尾整形)
骨粗鬆症について-2:はくざん通信6号(成尾整形)


翻訳:Sep. 2005


AAOSの原文 Osteoporosis
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お断り:
a. この資料の日本語訳は、米国整形外科学会(the American Academy of Orthopaedic Surgeons:AAOS)の許可を得て作成されています。
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a. The Japanese translation of this material has been produced with permission from the American Academy of Orthopaedic Surgeons (AAOS).
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